さて、休憩を終えた3人は、ミーティングルームに戻ってきました。これから、つなぐくんからけんぞう社長とのぶこ専務に必要資料の説明を始めるようです。
エピソード①準備すべき必要資料
必要資料を集める意味
事前に必要資料を集める事はとても重要なことです。M&Aプロセス上、譲受側からの意向表明書前に正確な情報をしっかりと提出することで、その後のデューデリジェンス(買収監査)で減額交渉が入るようなマイナス要素を減らすことができます。一方で、資料をあまり提出しなかった場合、譲受側にとって知らない情報が増えるため、「聞いてなかった」、「イメージしていたことと違う」等を理由に見送られる可能性もあります。また、M&Aを実行しなかった場合においても、会社にとって不備となっている書類や紛失している書類を把握することができるため、いずれにしても資料を集めることは会社にとって良いことです。
室長コメント
室長がこれまでご支援してきた企業様でも資料を準備していた企業様と準備しない企業様では、資料を準備していた企業様の方が圧倒的にスピード、成約率が高いです。それは、譲受側の検討スピードを上げる事に繋がっていること、会社の信頼力向上に繋がっていることが要因となります!!
具体的な必要資料
必要資料は、大きく分けて『法人』、『事業』、『財務』、『法務』、『人事』、『不動産』となります。
◎:次回面談までにご準備いただく資料
〇:なるべく早めにご準備いただく資料
△:少し余裕を持っていただいても良い資料
『法人』
- ◎ 会社案内
- ◎ 会社沿革
- ◎ 代表者の経歴書
- ◎ 履歴事項全部証明書
- ◎ 定款
- ◎ 株主構成、役員構成が分かる資料
『事業』
- ◎ 事業内容が分かる資料
- ○ 事業プロセスが分かる資料
- ○ 商品やサービス内容が分かる資料
- ○ 得意先、仕入先一覧及び実績表(3期分)
- ○ 事業計画書
『財務』
- ◎ 法人税申告書(3期分)
- ◎ 直近試算表
- ○ 元帳(3期分)
『法務』
- ○ 賃貸借契約書
- ○ 金銭消費貸借契約書
- ○ リース契約書
- ○ 保険契約書
- ○ 取引先との契約書
- △ 特許等の許認可証明書
『人事』
- ○ 就業規則
- ○ 給与規定
- ○ 退職金規定
- ○ その他人事規定
- ◎ 給与台帳(3期分)
- ◎ 組織図
- ○ 従業員に関する資料
- ○ 36協定書類
『不動産』
- ◎ 固定資産台帳
- ○ 登記簿謄本(土地、建物)
- △ 不動産鑑定書
- △ 建物図面
室長コメント
資料は全て揃えていただくことがベストです。但し、現段階ではアドバイザーに企業を知ってもらうこと、企業価値評価をしてもらうことが目的となりますので、目的達成のために必要な資料をまずは集めていただくことが重要になります。
さてさて、けんぞう社長とのぶこ専務の会社はどのような評価がつくのでしょうか?