けんぞう社長は、工業高校卒業後、製造業に就職、技術を磨き3年でM&A工業を設立し、今年創業50年を迎える。現在、従業員は70名、売上高5億円、黒字企業として地域に根付いた堅実な経営をしている。
妻であり専務でもあるのぶこの協力を得ながらここまできたものの、けんぞう社長は70歳、のぶこは68歳。そろそろ次の世代に事業承継したいとと考えてる。
そんな中で、夏休み子供達に後を継がないかと相談したところ。断られてしまう、、、
エピソード①けんぞう社長の悩み
全国の中小企業は、後継者不在で困っている
中小企業の数は年々減少しています。その経営者の年齢も高くなっており、その内の約70%が後継者不在との回答が出ています。
以下、中小企業白書より引用したグラフとコメントとなります。
日本の企業数の推移を確認すると、1999年以降は年々減少傾向にあり、直近の2016年には359万者となっている。このうち、中小企業は358万者であり、その内訳は小規模事業者305万者、中規模企業53万者となっている。2014年から2016年の2年の間に企業数は23万者(6.1%)の減少となっています。(第1-2-1図)。
参考:2019年版中小企業白書
中小企業の経営者の年齢の分布を見ると最も多い経営者の年齢は1995年に47歳だったが、2018年には69歳となっており、経営者年齢の高齢化が進んでいることが分かります(第2-1-3図)。
参考:2019年版中小企業白書
室長コメント
室長がこれまでご相談を受けた経営者の方もほとんどが60代以上です。体力的、精神的にもご自身の引退や事業承継について真剣に考え出すタイミングなのかもしれません。
経営者引退に向けて、まずは家族・親族が圧倒的に多い。その次に後継者、専門機関という回答になっています。実務上でもアドバイザーとしてご相談を受ける時には、すでに家族には相談をされているケースがほとんどです。(第2-1-63図)。
参考:2019年版中小企業白書
参考:2019年版中小企業白書
室長コメント
自社の経営状況を定量・定性の両面から把握してもらっており、これまで何かあれば相談してきているため、事業承継についても家族の次に相談されているケースが多いです。ネットワークが広い先生の場合は、他の顧問先へ相談してそこへ事業承継されたというケースもあります。
エピソード②けんぞう社長、重い腰をあげる
ということで、けんぞう社長とのぶこ専務は会計事務所の先生へ相談に行くことになりました。会計事務所の先生はどのようなアドバイスをしてくれるのでしょうか